一本締めをした
昨晩、課長に花束をわたした
どうでもいい、とおもった
祝賀会だった 課長が立派な事をしたそうだ
わたしはお酒がのめない18歳だから
白髪のこわい上司にお酌をしていた
一本締めやら、集合写真やら、お世辞やら
なんでそんなものを、仰々しく、大事に大事にするのだろう大人は。
あんなのばからしい、ただ酒をのんで、それでいいのに
きっと私が老人になるころにはなくなってしまうであろう儀式
大人はさみしい生き物だから、
しようもない、ちっぽけなものを、まるで宝物のように抱え込むんだろう
ちびちびとコーラをのみながら、ずっと
好きな人のことを考えていた
今なにしているのかしら
彼も大人だから、きっと一本締めや、「宴もたけなわですが」なんて挨拶を
大事にするのだろう。
そうしているとメールが来て、
「彼女」
(めまいのするほどうつくしい言葉だ)
彼にはうつくしい存在が居るのだった
でも食事や散歩に私を連れて行ってくれるという
私もうつくしい存在になる事ができるだろうと確信めいたものを
感じていました。
だって友達も……みんなそういうから
明日食事にいきます