映画の主人公になった
コピー機のある奥まった場所のイスにぼんやり腰かけると、
真正面のずっと先に施設の入り口があって
そこから道路や植えられた草木が見える
私の働いている施設は電気があまり使われていなくて、
いつも薄暗い
映画の中みたいだ、とおもった
そして私は映画の主人公で
台本がある
恋に悩んでいるのもこうして深遠な想いを抱えているのもすべて
台本どおり
生きている理由があんまりなくて、
まあ、今のところ大好きな女の子と遊ぶ約束があるから
まだ映画の中で演じ続けようかな
そんなのは強がりでほんとうは好きな人に愛されたいんだけどね。
職場の若い男の人をみて、どんな風に女の人を抱くのだろうとかんがえる
私をどうやって愛してくれるだろうかと妄想して、仕事は二の次
ぜんぶあの人のせい